当店について

- Sainte Enfant
- 焼菓子工房 Sainte Enfant
2011年開業のパウンドケーキ、クッキーがメインの焼菓店です。 店名は『サンタンファン』と読みます。 フランス語で聖なる子の意味で店主の名が由来です。 【ストーリー】 2011年10月、パウンドケーキとクッキーに特化した焼菓子店として開業しました。当時、生菓子と焼菓子の両方を扱う店は多くありましたが、この二つを専門にしたお店は珍しく、「好きなものを一番おいしく作りたい」という思いから販売を始めました。 パウンドケーキは、私が昔から大好きで、これまで数多く食べ、自分でもよく作ってきたお菓子です。一方クッキーは、かつてはあまり得意ではありませんでしたが、ある時作る必要に迫られ、試行錯誤するうちにすっかり夢中になりました。今では欠かせない商品です。 素材へのこだわり 開業にあたり決めたことがあります。それは、添加物を極力使わないこと。家庭のお菓子作りでは使わないような成分や、成分表示にカタカナでずらりと並ぶ聞き慣れない名前のものは一切使用せず、誰もが知っている材料だけで作ること。 だからといって「家庭で作れる味」に留まらず、家庭では再現できないような仕上がりを目指しました。 パウンドケーキは、しっとりときめ細やかな理想の生地を求め、何度も試作を重ねて完成させたもの。さらに旬の果物や野菜を使い、月替わりで季節のパウンドケーキもお届けしています。 クッキーは、一般的に多く使われる膨張剤をあえて使わず、素材の力でふくらみや食感を生み出します。ザクザク、ホロホロ、サクサク――食感の違いも存分に楽しめるよう工夫しました。 乳化剤や安定剤も不使用で甘さは控えめ。 そのためパウンドケーキの賞味期限はわずか5日ほど。 「そんなに短いお菓子なんて…」とお叱りをいただくこともありましたが、やがてその理由や価値を理解してくださるお客様が少しずつ増えていきました。 店づくりとお客様とのつながり 一人で運営する小さなお店のため、販売は週3日だけ。 「友人の部屋に遊びに来るような気軽さで訪れてほしい」という思いから、あえて店舗らしい造りにせず、お菓子は平置きスタイルで並べていました。 開店から少しずつお客様に恵まれ、婚礼や記念品としてのご注文、企業様からの依頼もいただくように。 特に、着色料を使わず野菜や果物由来の天然パウダーで色付けしたモチーフクッキーやアイシングクッキーは、当時としては珍しく、たくさんのご好評をいただきました。 変化と節目 やがて、店頭販売とオーダーメイド製造を両立することが難しくなり、2015年頃からは完全予約制に移行。フルオーダーメイドのクッキーや焼菓子詰め合わせ、季節のケーキをお作りするスタイルになりました。 音楽教室の発表会記念、結婚式、卒業記念、企業周年イベント、大学教授の退任式典、国際会議の記念品まで――数えきれないほどのオリジナルクッキーをお作りしました。 そして2021年夏、開業10周年を迎える節目に、オーダーメイドクッキーの受注を終了。 「初心に立ち返り、伝統的な焼菓子をもっと深く探求したい」という想いが強くなったからです。 これから 2024年現在はスタッフも増え、これまで以上にお菓子作りの研究やレシピ開発に励みながら、みなさまの暮らしに小さな愉しみと温かな時間をお届けしています。 ”さあ、どうぞ召し上がれ!” 焼菓子工房 Sainte Enfant 神奈川県茅ケ崎市共恵2-5-28 (現在は完全ご予約制の販売のみとなっております) 【店主プロフィール】 ドイツ・デュッセルドルフ生まれ、兵庫県西宮市出身。 幼い頃から、シュトレンやマジパンを使ったドイツの伝統菓子、オーストリアのリンツァートルテ、ポーランドのマコヴィエツ(ケシの実のケーキ)、イタリアのカッサータ、フランスのタルト・ブルダルー、さらに中東のバクラヴァなど―― ヨーロッパから中東にかけて広がる焼菓子の世界に魅了されてきました。 帰国後は、数々の老舗洋菓子店が軒を連ねる阪神間で、多様な味わいに親しみながら育ちます。 結婚を機に上京し、ル・コルドン・ブルー東京校で菓子ディプロマを取得。 食べるだけでなく、洋菓子を作ることに人生の喜びを見出します。 2011年秋、移り住んだ湘南茅ヶ崎に小さな工房 Sainte Enfant を開きます。 伝統に敬意を払いながらも、そこに自らの息吹を重ね、ひとつのお菓子に物語を宿すように。 誰かの一日にそっと寄り添い、特別な記憶となるお菓子を――そう願いながら今日もオーブンの火を灯しています。